上の写真は2009年12月の土地購入時の状態です。なんにもないのっぺりとした傾斜地でした。
十数年遡って、できるだけシンプルに夫婦二人でのセルフビルドの軌跡を書いてみたいと思います。
ご宿泊頂くお宿がどのようにしてできたのか、興味を持たれた方はぜひご覧ください。

【2010年1月】
手書きの図面をもって、建築士の先生と打ち合わせをしたり、屋根や壁の材料を調べたり、
様々な業者さんから見積りをとったり、納期を確認したりと・・・忙しい日々が始まります。
まずは土地に積み上げてあった石を頂いて、地主さんに借りたユンボで石積みと地ならし。
と書くと簡単そうですが、夫婦二人でのはじめての石積み作業。「あ~でもない、こ~でもない」と
4~5日はかかりました。しかもかなりの重労働。
しかもしかも、この石垣はど~も納得がいかず、3年後には取り壊すことに・・・ なんてこった~

【2010年2月】
建築確認申請を出しても、なかなかなかなか確認済証がもらえません・・・
建築士の先生に書いてもらった図面を必死で解読し、基礎屋さんに説明するための断面図を書いたり、柱一本一本の図面を書いたり、必要な建築金物の種類や数量をチェックしたりと準備にも時間がかかります。 変更が無さそうな所から材料を発注。柱材と丸太は地元の製材屋、サッシは地元の業者、板材はネットで秋田から、壁・屋根材は大阪から。これだけ届いて来たら、もうやるしかありません・・・

【2010年3月】
やっと建築確認もおりて、予定の一か月遅れで作業開始。
柱や丸太は自然乾燥しながらの作業なので、
一本一本の木のクセを見ながら、どの木をどこにどの向きで使うかを考えます。
一本ずつの手書きの図面を信じて墨付けをし、まずは土台と柱の加工です。
シロアリ対策と防腐剤もたっぷりと。

丸太は皮むき作業から。久しぶりの皮むき作業! ちょっと懐かしい。初めて丸太の皮むきをしたのは
この時から遡ること21年前。もちろんその後も事あるごとに丸太の皮むきはやって来ました。
人生の節目節目には皮むきがつきものですよね。

さて、どうすればデコボコの丸太の表面に直線をひけるでしょうか?
説明してると長くなるので自分で考えましょう!

平面が一面できてしまえばあとは大丈夫。平面に芯墨を入れ、直角が出せるようになります。
ただし、ほぞ穴は機械が使えないので、ドリルとノミで地道に手彫り作業です。

長さや幅を確認しながら正確に加工していきます。完成後見える部分は綺麗に磨き上げておきます。
4月初旬まで丸太の加工作業が続きました。
何事も形になるまでには、目に見えない下準備が延々と続くものですね。
このオガクズと丸太の皮を片付けるだけでも一苦労です。

ご宿泊頂きました際には、ぜひこれらの丸太がどこに使われているか探してみてください。